色素沈着の原因はズバリ、肌の摩擦。この時期に気をつけたい摩擦といえば「虫さされ」。その虫さされ、かゆいままに掻いてはいませんか?放っておくと色素沈着を起こしてしまいます。
今回は、肌トラブルのひとつ色素沈着の原因と対処法をご紹介します。
そもそも色素沈着って?色素沈着とシミの違い
シミとよく似ている色素沈着。その違いは「自然現象」か「人為的」かにあります。シミは、紫外線による「自然現象」が主な発生原因です。一方色素沈着は、本来は紫外線から肌を守るメラニンの色素が肌に留まり、さらにあらゆる外的刺激によって沈殿してしまうことで発生します。
具体的に知りたい!色素沈着の原因
色素沈着の原因となる外的刺激とは具体的に何を指すのでしょうか。その答えは実に様々です。火傷や切り傷、すり傷、あせもや虫さされなどの皮膚の炎症、加齢や妊娠時のホルモンバランスの乱れも原因となります。夏の虫さされ、かゆいままに掻いてしまうと色素沈着をおこしてしまいます。ここはぐっと我慢して、かゆみ止め等を使って辛抱強くケアしましょう。
洗顔時の摩擦にも注意!
そして意外な落とし穴が朝夕の「洗顔」。お肌の清潔を保ちたいあまりに、お肌をごしごし洗いすぎてはいませんか?バスタイムのシャワーで身体をこすりすぎてはいませんか?
人間の皮膚はほんの少しの刺激にも敏感。洗顔時にはきちんと泡立てた洗顔料を使って、指の腹でやさしく肌をなでるよう心がけましょう。
メイク落としは優しく、しっかり
もちろん、適度にお肌を清潔にしておくことは必須です。洗いすぎてはいけないからといって、メイクオフも洗顔もおざなりにすることは言語道断!特に、お化粧をきっちり落とさないと色素沈着を引き起こしてしまいます。
基本中の基本ではありますが、洗顔前にはクレンジングでしっかりお化粧を落とし、洗顔時にはお湯とふわふわの泡を使って優しく顔を洗いましょう。
低刺激のクレンジングクリーム等は一見肌への刺激を弱めるように感じますが、化粧を落とす力が弱ければ本末転倒。メイクオフがきっちりできるクレンジング剤選びも肝心ですね。
うっかりできてしまった!色素沈着の治療方法は?
いくら用心していても、日々の肌への負担を考えると色素沈着が防げないこともあります。そんな時は肌のリセット機能を利用したケアを実践してみて下さい。
お肌の再生にはビタミンC
肌はおよそ28日間で生まれ変わります。28日分溜まっていたメラニンは皮膚の表面にまで押し出され、角質と一緒にキレイさっぱりなくなり、代わりに新しい皮膚が生まれます。
ターンオーバーと言われるこの皮膚の再生能力は、ビタミンCにより活性化されます。美白化粧品にビタミンC誘導体が含まれているのはこのためです。ビタミンCの一日の所要量は100mgで、シミや色素沈着改善のためには300〜1000mg程度が必要とされています。
日々の生活の中でなかなか効率的に摂取できない場合は、ビタミンCを含んだサプリメントで補ったり、ビタミンC誘導体が含まれている美白化粧品を使うと良いでしょう。
ビタミンCとビタミンC誘導体。その違いは?
ちなみに、ビタミンCとビタミンC誘導体の違いをご存知でしょうか。多くの化粧品―とりわけ美白化粧品―はビタミンCを含んでいますが、そのほとんどが実はビタミンC誘導体。
その理由はビタミンCの繊細さにあります。何の加工も加えないビタミンCは、空気に触れると酸化が進みやすく、また肌への吸収率が低いことが問題でした。その問題を解決し、ビタミンCの長所を生かしたのがビタミンC誘導体。ビタミンC誘導体は皮膚の抗酸化作用を高め、さらにメラニン色素を作ることを抑制してくれるのです。
ピーリングでつるつるタマゴ肌
ビタミンC(誘導体)の摂取に加え行いたいのが、ピーリング。毛穴の黒ずみや肌の奥にたまった角質を取り除いてとぅるんとぅるんのお肌にしてくれます。
市販のピーリングジェルを使用する場合は、トラブル回避のために低刺激に作られているため、毛穴に詰まった角栓を取り除く等、その効果はディープクレンジング程度と考えて良いでしょう。色素沈着だけでなく、化粧ノリが悪いと感じたときや化粧水の浸透度が低下したと感じた時などにも自宅で簡単にケアできます。
また、最近ではクリニックで行う、より本格的なケミカルピーリングも流行しています。こちらはシミや色素沈着などの深刻な肌のお悩みを抱えた方にはピッタリの療法です。ケミカルピーリングでは、単に古くなった角質を取り除くだけでなく、加えて肌の再生を促進。加齢とともに低下してきた肌の再生能力の復活を誓って、1度試してみるのも良いですね。
安定型除法性ハイドロキノンで真の美白を
肌の再生機能を利用しつつ、「攻めの美白」をするならやっぱり「ハイドロキノン」。「肌の漂白剤」の異名をもつハイドロキノンは、メラニンを生成する「チロシナーゼ」の働きを防ぐため、シミの原因を根本から解決してくれる優れモノ。
アルブチンやコウジ酸もハイドロキノンと似た働きをしますが、中でもハイドロキノンはアルブチンの約100倍美白効果があると言われています。その強い効果ゆえに、日本では長らく使用が制限されてきましたが、肌への浸透率を考え、より効果的にこの美白成分を摂りこめるよう工夫したのが安定型除法性ハイドロキノン。
従来のハイドロキノンより、安定していてお肌に優しい処方になっています。
もう二度と失敗しない!色素沈着を予防するには?
色素沈着を予防するための大原則は「肌への負担を減らすこと」。このベースをきっちり守ればたいていの色素沈着は防げます。
タオルドライの際も皮膚をごしごし掻かずに優しく拭きましょう。洗顔の際の泡立てもお忘れなく。また、太陽光の刺激から肌を守るためにもUVケアは通年で行いたいものですね。
そんな小さな肌へのいたわりが美を保つ秘訣でしょう。とはいえ、日本人を含む黄色人種(モンゴロイド)はメラニンが多く色素沈着を起こしやすいので、過度に気にしすぎないこともポイントかもしれません。